新美南吉記念館に到着し、出迎えの市民に手を振られる両陛下
絵本の読み聞かせをご覧になる両陛下
平成22年6月15日(火)、天皇皇后両陛下が新美南吉記念館をご訪問くださり、展示をご覧になられたり、園児と一緒に南吉童話の読み聞かせをお聞きになられたりしました。
今回の訪問は、6月13日に岐阜県で開催された第30回「全国豊かな海づくり大会」の式典へ両陛下が臨席されるのを機会に計画されたものです。
両陛下が半田市を訪れるのは、皇太子時代の昭和61年に博物館「酢の里」などを見学されて以来のこと。車列が通る、半田中央インターから新美南吉記念館までの沿道には、お二人をお迎えしようと、時折小雨が降るなか、4300人を超える市民が詰めかけました。
記念館に到着した両陛下は、矢口栄館長の案内で、まず、童話「でんでんむしのかなしみ」の原稿を刻んだ碑をご覧になりました。「でんでんむしのかなしみ」は、皇后陛下が平成10年に行われた国際児童図書評議会世界大会で講演された際にご紹介くださった作品で、碑はこれを記念して建てられたものです。
続いて館内に入られた両陛下は展示室をご見学になりました。南吉ファンとして知られる皇后陛下は、館長の解説に何度もうなづかれ、身を乗り出すようにして展示ケースの中の資料をご覧になられたり、作品について天皇陛下に説明されたりしていました。
その後、図書室で読み聞かせボランティア「きりんの会」のメンバーが岩滑北保育園の園児達に南吉の絵本を読み聞かせる様子を視察されました。園児達は緊張した様子もなく、予定にはなかった歌を披露するハプニングもありました。
お帰りの際には、見送りの列に並んでいた安城高等女学校での南吉の教え子達に声をかけられ、「どんな先生でしたか。」と質問される場面もありました。
奉迎に集まった市民、園児、教え子達に優しく接せられ、新美南吉に高い関心をお示しくださった両陛下のご様子に、市民も関係者も感動に包まれた一日でした。