南吉の作品について
新美南吉はふるさとの知多半島を舞台に、庶民の生き様や子どもの生活、身近な動物たちを描きながら、心の通い合いや美しい生き方といった普遍的なテーマを、ストーリー性豊かに表現しました。その物語は美しい文章、巧みな心理描写、ユーモアに彩られ、彼の死から75年以上経った現在でもますます多くの読者に愛されています。
彼がのこした作品は、童話、小説、童謡、詩、戯曲、俳句、短歌など多岐にわたり、その数は1500を超えます。なかでも小学校の国語科教科書に半世紀以上も載り続けている「ごんぎつね」は、世代を超えた国民的文学として親しまれています。
主な作品と制作年
※太字は童話または少年小説
年 | 年齢 | 作品(太字は童話または少年小説) |
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昭和3年 | 15歳 | 「赤蜻蛉」「銭坊」・童謡「喧嘩に負けて」・詩「詩人」 |
昭和4年 | 16歳 | 「張紅倫」「巨男の話」 |
昭和6年 | 18歳 | 「権狐」(ごん狐)・童謡「窓」「ひかる」「ひる」 |
昭和7年 | 19歳 | 小説「坑夫」・童謡「枇杷の花の祭」「島」「月の角笛」 |
昭和8年 | 20歳 | 「蛾とアーク灯」「かごかき」「こどものすきなかみさま」「丘の銅像」「手袋を買いに」 |
昭和9年 | 21歳 | 「名無指物語」・小説「塀」「雀」・詩「貝殻」 |
昭和10年 | 22歳 | 「うまやのそばのなたね」「こぞうさんのおきょう」「でんでんむしのかなしみ」「ひとつの火」「木の祭」「赤いろうそく」「かげ」「げたにばける」「にひきのかえる」「きつねのおつかい」「かにのしょうばい」など幼年童話約30編・小説「鴛鴦」「中学二年生の時」(借銭)「除隊兵」・詩「ペンだこ」「去りゆく人に」「墓碑銘」「弟」 |
昭和11年 | 23歳 | 「決闘」・小説「灯のない蛍」「帰郷」 |
昭和12年 | 24歳 | 「空気ポンプ」・小説「自殺宣言」「小さい薔薇の花」 |
昭和13年 | 25歳 | |
昭和14年 | 26歳 | 「最後の胡弓弾き」「久助君の話」・小説「花を埋める」・詩「牛」「春の電車」「ひよこ」「蛇」「ひらがな幻想」 |
昭和15年 | 27歳 | 「川」・小説「百牛物語」「自転車物語」「音ちゃんは豆を煮ていた」「坂道」「家」「銭」・詩「鯉」「泉」「百姓家」 |
昭和16年 | 28歳 | 「良寛物語 手毬と鉢の子」「嘘」「うた時計」 |
昭和17年 | 29歳 | 「ごんごろ鐘」「貧乏な少年の話」「おじいさんのランプ」「花のき村と盗人たち」「牛をつないだ椿の木」「百姓の足、坊さんの足」「和太郎さんと牛」「鳥右ヱ門諸国をめぐる」「耳」 |
昭和18年 | 「狐」「小さい太郎の悲しみ」「疣」・小説「天狗」(絶筆) |